気象予報士試験ワンポイント知識

参考書と並行読んでいただけたら、効果があがるかも。

8.中層大気の運動(参考:気象予報士試験 徹底攻略テキスト

・中層大気とは

このセクションの中層大気は、成層圏と中層圏の大気のこと。
高度は約10kmから90km。
中層大気は、風系が大きく一括りで扱うことができる。

・中層大気の特徴

中層大気は夏半球と冬半球に大きく分類できる。
1月では、北半球が冬半球、南半球が夏半球にあたる。
温度分布からの特徴は、
1:地表から10kmは赤道部が極大。
2:10から20kmでは、赤道上に極小域がある。
3:20から60kmでは、夏半球側ほど高く、極域で最高。
4:それ以上では、夏半球側ほど低く、極域で最低。

・中層大気の特徴(その2)

1.対流圏(高度約10kmまで)では、両半球に中緯度に西風のジェット気流があり、極大域がある。
2.高度約90kmくらいまでは、夏半球は東風、冬半球では西風が優越。
3.それ以上の高さでは反対。

・ブリューワ・ドブソン循環

高度約30km付近までは、赤道付近で吹き出した風が南北の中緯度へと向かう循環。
この循環で、赤道付近で生成されたオゾンが、運ばれる。

・準2年周期振動

赤道付近上空の中層大気には、東風と西風が平均して約26ヶ月ごとに入れ代わっている。
26ヶ月なので、準2年周期。
特徴は、どちらの風も上空で発生し、下層へと降りてくる。
赤道付近の特徴的な風の場。

・成層圏の気圧配置、温度分布

北半球の成層圏の気圧配置は典型的。
夏は極付近を中心に高温域・高気圧となり同心円状に分布する。
冬はその逆のパターン。
ただし、冬の場合は、夏ほど典型的な同心円状ではない!

・成層圏の突然昇温

従来、成層圏は成層し、安定した世界だと考えられていた。
しかし、成層圏で1日で約40℃という急激な温度変化をしていることが判明。
原因は対流圏のプラネタリー波の影響で、下降気流が起こるため。
空気の下降による断熱昇温度。