top

過去のサイエンスカフェの実施レポートをお伝えします。

■第10回(2012年7月28日)


タイトル:和歌山大学から見る宇宙

ゲスト:境原周太郎さん、宮崎恵二さん
【和歌山大学大学院教育学研究科教科教育専攻理科教育専修2回生】

場所:カフェと文具の店「スイッチ」

記念すべき第10回目のサイエンスカフェは
和歌山大学大学院の学生二人をゲストにお迎えし
開催しました。

今回は「和歌山大学から見る宇宙」というテーマで
天文学分野でした。

和歌山大学の上空に広がる星空を、まちなかにあるカフェ
「スイッチ」さんで体験してもらおうと、大学の望遠鏡の
リモート操作に挑戦する企画となりました。

まずは、準備風景。

20120728wadai1.jpg(51989 byte)
ネットになかなかつながらないという致命的なトラブルも
何とか乗り越えました。

サイエンスカフェのトーク自体は二部構成。

まずは、宮崎恵二さんが、行っている研究について。
20120728wadai4.jpg(43934 byte)

卒業研究で取り組まれた
われわれがいる太陽系以外に惑星が存在するのか
という「系外惑星」についてのお話と
そして、現在取り組んでいる天文学を通じた理科教育のお話を。


ついで、境原周太郎さん。
20120728wadai3.jpg(52702 byte)

個性的な経歴を通じた自己紹介の後は、
和歌山大学の望遠鏡について。
60cmの反射鏡は、大学にある望遠鏡としては、「全国最大級」だそうです。

最近、この望遠鏡がオートメーション化されたので、
今回のような離れた場所からでも、任意の星を導入し、
画像がみることができるようになったそうです。

でも、その前に、望遠鏡の原理についておさらい。

虫眼鏡と凹面鏡を用いてその原理を分かりやすく体感できました。
20120728wadai5.jpg(35488 byte)
20120728wadai6.jpg(22564 byte)
20120728wadai7.jpg(41608 byte)
そして、ついに、リモート天文台に。

映し出されたウィンドウ上で、見たい星をクリックするだけで、
望遠鏡が動き出します!

20120728wadai8.jpg(46601 byte)
ちなみに、大学の望遠鏡にも、4回生の学生さんが待機
していただいたそうです。ありがとうございます。

20120728wadai9.jpg(42720 byte)
今日はアークトゥルスや土星を見せていただきました。

実際に、ソフトを動かしてみたい星を導入させていただきました。
遠く離れた望遠鏡が、自分の指示で動かせるなんて
すごい体験です。とても感動しました。


今回は、境原さん、宮崎さんだけでなく、和歌山大学の学生さんが
多数バックアップしていただきました。
本当にありがとうございます!
フライヤー

■第9回(2012年2月12日)

タイトル:「みなかたる 南方熊楠−ボタニカルアートの世界−を体験しよう」
ゲスト:廣本直子さん
画家、古民家アトリエ「もじけハウス」主宰
武蔵野美術大学造形学部油絵科卒業。写実画壇会員。第24 回上野の森美術館大賞展入選。
全日空機内誌「翼の王国」ほか、旅の絵連載。
場所:絵本ぐるぐる

第9回和歌山サイエンスカフェを、田辺市在住の画家、廣本直子さんを
ゲストにお迎えし開催しました。


和歌山にゆかりに深い南方熊楠が描いた菌類などの植物図(ボタニカルアート)を
参考に、キノコや植物の模写をする体験型イベントです。



まずは、廣本さんから作業の説明を受けます。
廣本さんによると、南方熊楠の絵は、全く無駄のない線で構成されていてすばらしいとのこと。
アートからの視点から熊楠を見るのは初めてだったので、また新しい一面を知ることができました。

説明を聞いたあとは、早速作業に取りかかります。





始めに、画用紙にミカンの汁を付けてあぶります。そうすると、すごく雰囲気が
でてきます。





画用紙が準備できれば、廣本さんがご用意された、椎茸や梅、ミカンなどを鉛筆でデッサン。
この下絵がとても大切だそうです。
下絵ができれば、水彩で着色します。
じっくり観察して、微妙な色を彩色していきます。

みなさんすごい集中力で作業されていました。

熊楠との植物図は、普通の植物図とは違って、影があったりする
ところが特徴だそうです。そういうところを、廣本さんが手を加えて
いくと、みるみるうちに立体感が出て、臨場感が出てきます。

さらに、南方熊楠の菌類図譜には、新聞紙の切り抜きやメモ書き、いろんなことが
書き込まれています。
それを再現するために、同じように紙を貼ったり、万年筆でメモを書いたりします。


第一号に完成した小学校3年生の作品です。

作業は予定の2時間を過ぎて、3時間ほどかかりましたが、とてもすぐに過ぎてしましました。
途中には参加者の方同士の交流もあり、和やかな雰囲気で進んでいきました。

作品ができあがると、ドリンクを楽しみながら、廣本さんが手がけられている「もじけハウス」プロジェクト
のスライドショーを拝見しました。




参加者で記念撮影と、みなさんの作品です。


フライヤー

■第8回(2012年1月20日)

タイトル:「素粒子論、超ひも理論、最先端の高エネルギー加速器実験から宇宙の観測まで。」
ゲスト:佐藤松夫さん(弘前大学教育学部 准教授)
場所:文具とカフェの店「スイッチ」


佐藤さんは、関東で10日間の研究会でホテル詰めだった
らしく、当日移動で和歌山に来ていただけましたが、
雪の影響もあり、開始直前の和歌山入りとなりました。

お話は3部構成で、
1部は物質は何から構成されているのかという
素粒子の概論を聞かせていただきました。
初めは、水素や酸素などの原子が基本物質だと
考えられ周期表が作られていきました。
さらに発展して、それらはさらに陽子や中性子、電子から
構成されることが分かってきました。
現代では、クオークなのでさらに小さい粒子から構成
されていることが明らかになっています。
また、力そのものも粒子の交換によると考えられ、
ゲージ粒子が発見されています。

2部は、クォークなどの素粒子がさらに何かから
構成されていると考え、究極の素粒子を考える
佐藤さんのライフワークでもある「超ひも理論(超弦理論)」
へと論が進んで行きます。
話は10次元空間でのモデルなどの話が出て、
物理学の深淵をすこし垣間見ることができた気がします。

3部は、実験物理学や宇宙論との関係などの
お話を伺うことができました。



今回も多数の方に参加いただけ、多くの質問を佐藤さんに
寄せていただきました。
また、トーク終了後は、最近話題のヒッグス粒子についても
質問が出て、佐藤さんからは、やはり本当に理解してもらうには
数式が必要なんだとの益川先生の言葉を引用しつつ、
概略的に、ヒッグス粒子によって質量が生まれる原理を
黒板をつかって説明いただきました。




トークの途中で何度も佐藤さんの口に上ったのは、
数式を使わずに分かりやすく説明しようとすると、どうしても
ウソが含まれてしまう。一般向けの解説本とかはそういう
ことが多々あるそうです。
今回の佐藤さんが作製されたプレゼン資料はその点に
最新の注意を払い、現代の物理学からみて
誤ったことを含んでいないものにしている、ということでした。

厳密さに重んじる科学者としての姿勢を伺うことができ、
とても印象的でした。
フライヤー

■第7回(2011年12月7日)

タイトル::「動物のお医者さんの助手」
テーマ: 動物の世界が白黒ってウソ!?
       〜動物と色の不思議な関係〜 ゲスト後藤千晴さん(わかやまフレンZOOガイド)
場所:文具とカフェの店「スイッチ」


ゲストは、わかやまフレンZOOガイドの「後藤千晴」さん
をお招きしました。

テーマは「動物の動物の世界が白黒ってウソ!?
       〜動物と色の不思議な関係」
ということで、後藤さんが動物看護士の経験もあり、
「動物のお医者さんの助手」というタイトルでお話いただきました。

後藤さんは和歌山大学のまちかどサテライト地域連携コーディネーターも
されており、宇宙カフェのコーディネートもされています。
サイエンスカフェの経験も豊富で、トークもとても楽しかったです。

今回は「動物は色が見えるのか?」という参加者への
質問から始まりました。
参加者からは「うちの犬は皿の色を見分けていた」とか
「最近の動物は栄養状態がいいから、色が見分けられる」など
の解答を引き出された後、
そもそも色とはどういうものか、さらにはそれを受け取る動物側の
機能についてお話いただきました。

そして、実際に動物が色を見分けているのかを実験する方法を
解説していただき、実験データも見せてくれました。

そういう観点から、犬が見ているケーキはこんな感じという
画像はとても面白かったです。

犬は、色の感度が人間よりは低いみたいですが、
動物毎にその感度は異なるそうです。
自分たちが想像する以上にカラフルな世界を
生きているのかもしれませんね。



おやつはスイッチさんが、今回のテーマに合わせた
バージョンを用意していただきました。
とってもおいしかったです!

定員を上回る方に参加いただきありがとうございました。

フライヤー

■第6回(2011年8月10日)

タイトル:新聞紙で橋をつくろうワークショップ
ゲスト:和歌山県県土整備部有志
場所:まちなか交流スペース「みんなの学校」

和歌山サイエンスカフェインフィニティ、
初の自主企画ラボシリーズ「新聞紙で橋をつくろうワークショップ」
を開催しました。

構造力学の入門編をレジュメで説明して、
本日のワークショップのルールを説明して早速
作業を開始しました。





試作品のプレートガーター橋のデモンストレーション。
一応、500gの重さには耐えますが、すぐに
座屈してしまうことが判明・・・
まだまだ改良の余地が。


いろんな形式が検討されます。


トラス構造も。


ちいさい版桁も。


短時間ながら、1つ完成。
出来具合をみんなで確認。


それぞれが作ったものを手に記念撮影。

短時間の作業ながら、みなさんテキパキと
なんとか完成できました。

ご参加、ご協力ありがとうございます!

■第5回(2011年7月9日)

タイトル:「らしく」〜コミュニーションをカガクする〜
ゲスト:加納 圭さん(和歌山大学大学院教育研究科天文学教室修士課程)
場所:絵本ぐるぐる(みその商店街内)


今回のサイエンスカフェは
「らしく」
ということで、コミュニケーションを科学的に
研究されている京都大学の加納圭さんを
お招きしました。

冒頭に加納さんの自己紹介がありましたが、
学生の頃のお話や現在の研究に至った経緯など、
加納さんの人となりを伺うことができました。

参加者皆さんが相互に
コミュニケーションを図って、後半の対話に繋がるようにと
グループ分けを行って、自己紹介と他己紹介を
行ってもらいました。
今までのサイエンスカフェとはまた違った光景になりました。

そこには、コミュニケーションの手段としての
会話・対話・議論など、安易にひとくくりにされそうな
ものも、それぞれに深い意味があり、サイエンスカフェでは
対話をしてもらうことで、それぞれに今日の時間を有意義に
過ごしてもらいたいという狙いがあったそうです。

自己紹介等の後は、よく使われる「市民とは?」という
テーマで、さらに対話を深めてもらいました。
なかなか掴みにくく曖昧な言葉ですが、
他の方々の意見から、新しい見方ができたと
思います。
今日は、コミュニケーションというものについて、よく
考えることができました。
今後のサイエンスカフェにも活かしていきたいです!

■第4回(2011年4月23日)

タイトル:チャリティサイエンスカフェ「第2の地球を探せ!」
ゲスト:太田 昇さん(和歌山大学大学院教育研究科天文学教室修士課程)
場所:カフェと文具の店「スイッチ」



■第3回(2011年3月5日)

タイトル:第2の地球を探せ!
ゲスト:太田 昇さん(和歌山大学大学院教育研究科天文学教室修士課程)
場所:カフェと文具の店「スイッチ」



■第2回(2010年12月10日)

タイトル:お天気カフェ 身近なお天気から地球温暖化まで
ゲスト:中串 孝志さん(和歌山大学観光学部准教授)
場所:まちなか交流スペース「みんなの学校」




■第1回(2010年9月29日)

タイトル:星空から感じる銀河の世界
ゲスト:富田 晃彦さん(和歌山大学教育学部教授)
    宮崎 恵さん(みさと天文台客員研究員・和歌山大学大学院修士課程)
場所:まちなか交流スペース「みんなの学校」